皆さんはヴァイスシュヴァルツの「リプレイ」というテキストはご存じでしょうか?
最近はバンドリでリプレイを持つカードが多く収録されたので目立っているかもしれませんね。
総合ルールによると、リプレイとは以下のようなテキストです。
11. その他
11.3. リプレイ指示
11.3.1. カードの能力や効果において、リプレイ指示が表記されることがあります。
11.3.1.1. リプレイ指示とは、テキストの下部に緑枠で囲まれている、リプレイアイコンから始まる一連の文章です。
11.3.1.2. リプレイ指示は『(リプレイ行動)(リプレイ効果)』の形で表記されます。このうちリプレイ行動は赤字で表記されます。
11.3.1.3. リプレイ指示の内容は、11.3.2 で示される処理以外で実行されることはありません。
11.3.2. リプレイ指示を持つカードは、リプレイ指示外の効果内に赤字でなんらかの処理が表記されることがあります。その効果によりその赤字の部分の処理をする際は、そのカードのリプレイ指示のリプレイ効果を実行します。
例:あるカードが「 このカードが舞台に置かれた時、『ゲームをする』。」という能力を持ち、そのカードのリプレイ指示が「『ゲームをする』あなたは 1 枚引く。」である場合、このカードが舞台に置かれた時、あなたは山札からカードを 1 枚引きます。引用元:https://ws-tcg.com/wordpress/wp-content/uploads/rule/WS_rule_1.83a.pdf
効果の処理に固有の名称を与え、カードのテキスト内でその名称が呼ばれたときに、その効果を処理するというものです。
このリプレイというテキストはノーゲーム・ノーライフで初登場し、それ以降いくつかのブースターに収録されました。
このリプレイについて個人的に思っていることがあるので、それについて書いていきます。
1.そもそもリプレイって必要なの?
最初にリプレイを見た時に思ったことがこれでした。
上のカードはノーゲーム・ノーライフに収録されたジャンケンというカードです。
始めにパーを出すと宣言しながら、相手にどの手を出させるかの心理戦を迫る原作再現をしたカードです。
効果自体は良いと思います。
しかし、上のカードのテキストを見てください。
これ、リプレイにする必要なくないですか?
リプレイで呼び出さずに、リプレイの内容をそのままカードの効果として記述しても成り立つ効果です。
むしろリプレイにしているせいで文字数が多くなっています(効果の表現は簡潔で分かりやすく解釈違いを生まないことが大切です)。
カードゲームにあるキーワード能力は、カードにどんな効果が付いているのかを分かりやすくしたり、効果のテキスト欄を省略するために使われます。
リプレイについては、効果の名称もカードによって異なり、発動タイミングや効果の内容もカードによって異なるため、あまり効果に名前を付けている意味がありません。
バンドリで登場した「FEVER」というリプレイ能力は、主人公&アルセーヌ / JOKERと同様に、アンコールステップの始めに相手の舞台の前列にキャラがいないか、相手の前列のキャラがすべてリバースしているときに発動する効果です。
この「FEVER」という効果は効果の内容は違えど、発動条件は同じであるため、それについては分かりやすくなっています。
しかしこちらも効果としてリプレイにする必要があったかというと、そうは考えにくいです。
ある一連の効果に名称を付けて呼び出すのであれば、その名称が複数登場しないとわざわざ名称を付ける意味がありません(プログラムの関数のようなイメージでした)。
現状、1枚のカードの中で同じリプレイ効果を複数回を読んでいるのはノーゲーム・ノーライフの具象化しりとりだけです(こちらも発動タイミングが同じなのでリプレイにする必要性はありません)。
リプレイという文章を追加しているために、テキスト欄に中を無駄に上下に行ったり来たりする必要が生まれているため、本当にリプレイって必要だったのか?と感じてしまいます。
2.リプレイは原作再現になっているのか?
色々言っても実際にリプレイというテキストは存在しています。
このリプレイというテキストが登場した理由として、私は以下のように考えています。
「効果に名称を付けてそれを宣言すれば、原作の雰囲気を再現できるんじゃないか!?」
このようにデザイナーの方が考えたのではないでしょうか?(あくまで私個人の考えです)
確かに、ノーゲーム・ノーライフでは作中で様々なゲームをして戦っていく物語ですし、シュタインズ・ゲートも過去改変を繰り返していく物語なので、効果の宣言時に「ゲームをしよう」とか「これが運命石の扉の選択だ」とか言えば盛り上がるのかもしれません。
しかし、カードゲームにおける原作再現ってそういうことなのでしょうか?
カードの効果に原作をもとにした名称を付けてリプレイにすれば原作再現となるのであれば、あらゆる効果にとにかくリプレイを付ければ原作再現をしているということになりますか?
私個人としてはそうは思いません。
カードゲームにおける原作再現は、できる限りそのカードゲームで用いられる言語のみを使って原作の物語やキャラの性質を表現するものであってほしいと私は考えています(そしてさりげないともっとクールです)。
もともとヴァイスシュヴァルツには、思い出や経験、移動やアンコール、再スタンドやバーンなど、原作の物語を再現するのに使うことのできる要素がたくさん詰まっています。
それらを色々と組み合わせてカードのテキストを作り、実際にその効果を使ってみると原作の再現になっていると分かった時に、「原作のこの部分をこうやって表現してきたか!なかなかいいじゃん!」と私は感じるのです。
だからと言って、リプレイというテキストが悪いとは思っていません。
せっかく新しい概念を導入したのですから、それをうまく活用して、今までにない効果の表現をしてほしいと考えています。
現状の使い方だと、無駄に文章量を増やしているだけですからね。
また私が危惧しているのは、ヴァイスシュヴァルツのカードデザイナー陣が原作再現をリプレイに頼ってしまうのではないかということです(余計なお世話ですが…)。
きちんとリプレイ以外のテキストも使って原作再現をしたカードデザインをしてほしいものです。
3.最後に
全然ヴァイスシュヴァルツのゲーム部分とは関係ない話になってしまいましたね。
記事の内容はあくまで私個人の意見ですので、そこはご了承ください。
読んでくれた方はありがとうございます。
皆さん思っていることでしょうが、アバッキオかムーディー・ブルースの効果って「リプレイ」になりそうですよね。